毛質(コート/ヘアード)の遺伝を考えます。ダックスフンドの魅力に、どの犬種よりも豊富な毛色(カラー)、大きさ(サイズ)、ほかに毛質(コート/ヘアード)がございます。一概にダックスフンドと申しましても、サイズ(3種)×毛質(3種)だけで9種。それぞれに数種類の毛色が加わりますから、100種類のも及ぶバリエーションがあると言えましょう。ダックスフンドには3種類の毛質があることはご承知のとおりです。ワイヤー、ロング、スムース。どの毛質もダックスフンドの魅力を引き出します。本来は異なる毛質同士の交配は望ましくありません。しかし、日本でのダックスフンドの歴史は短く、スタンダード(理想体型)に準じた、良血のダックスフンドは稀少でした。僅か10数年前ですらダックスフンドと言えばスムースコートが主でして、ロングコートには素晴らしいと絶賛される程の子はまずいなかったように思います。それでも一部ブリーダーはスタンダードに近づけるため、優良な血統を求め、近親交配(インブリード)やタイプの違う毛質同士を掛け合わせスタンダードを目指す方もおられました。計画交配によってであろうとも、奇形や未熟児などの危険性も承知してです。これは非難されることでもなく、人間が純血種を作り上げようとした昔から行われていることであり、固定された犬種を更に素晴らしい種へと進める為の道のりでもありました。当然日本だけのことではなく、遥か昔から犬種の固定化を進めてきた英国をはじめとするヨーロッパや、スタンダード作りや珍しさ(レア)な種を作り上げることの盛んな米国では現在も当たり前に行われております。ただし現在のダックスフンドには海外からも多くの優良な血統も輸入され、国内ブリードでも数多くの優秀な子を排出しておりますので異毛種間での交配は行われません。*パピーミルやバックヤードブリーダー等には関係なく交配を重ねている方もおられるようですが…やはり異毛種間での仔犬は毛質をつかさどる遺伝子においてヘテロ結合となり、姿を現さないはずの劣性遺伝子と言えども実際の表現型としては一目で交雑していると分るような場合も多々あり、本来の毛質が持っている美しさを削ぐこととなります。コート遺伝子の優勢順位 ワイヤー > スムース > ロング遺伝学的優勢順位は上記の通りですが、実経験より上位順位の毛質の表現が強い中間型に見えるケースが多く感じます。たとえば、 ワイヤー×ロング 軟らか目で、腰の無い毛質のワンヤード。 ロング×スムース 中途半端な長さでペラペラした毛量のロングヘアード。 ワイヤー×スムース 妙に短い感じの毛質のワイヤード。交配相手を探す時には、現在は世界にも誇れる素晴らしいダックスフンドが多く日本にもおります。必ず、毛質、サイズは同じ種の種牡を探しましょう。コートの遺伝子(関係する遺伝子座は2種類あります。)L(ロングヘアーを出現させる) Wh(ワイヤーヘアーを出現させる)l(スムースコートを出現させる) wh(ワイヤーヘアーを出現させない)コートの遺伝子座LLWhWh、LlWhWh、llWhWh(純正なワイヤーヘアード)LLwhwh(純正なロングヘアー)llwhwh(純正なスムースコート)難しく考える必要はありません。単純に「交配相手は同じ毛質の子と行うこと」を忘れなければ良いだけの話。ただ万一、目を放した隙に異毛種間の子達が交配をしてしまっても奇形や先天性疾患を持った子は産まれませんのでご安心下さい。又、ジャパン・ケンネル・クラブ(JKC)からの国際公認血統書も発行されます。カラー遺伝子についてご質問お受けします。弊舎から嫁いでいない、関係を持っていない…ご心配ご無用です。同じ愛犬家として、知っている限りお答え致します。一般家庭の方も、プロの方もどうぞ。カラー遺伝子は命に関わる交配にも繋がりますので、表記・記載ミスなどございましたらご指摘願います。
2007年5月16日水曜日
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