2008年9月30日火曜日

ラブラドールの苦悩。




ラブラドールレトリバーが激しい運動をしたあとに後ろ足が立たなくなることがあるが、この原因を特定したとする米ミネソタ大学の論文が米科学誌ネイチャー・ジェネティクスに発表された。
原因は、ラブラドールレトリバーの9番目の染色体、ダイナミン1(DNM1)の変異にあるという。DNM1は、神経系に含まれる重要な化学物質を制御するものだ。
後ろ足が立たなくなるという症例は、1990年代に、トレーニング中のラブラドールレトリバーのグループで初めて獣医により確認された。5-15分程度の激しい運動のあと、一部のイヌは足がふらついて体温が上がり、後ろ足がコントロールできなくなった。そのうちの大半は30分休むと回復したが、数匹は死亡した。

チームは、こうした症状を持つラブラドールレトリバーは全体の3-5%にのぼると推定している。

2008年9月30日 AFP BBNews 著作権法第32条より「引用」


ラブラドールレトリバーの遺伝性疾患は、股関節形成不全、肘関節形成不全、PRA(進行性網膜萎縮症)、HC(若年性白内障)、RD(網膜形成不全)などが有名です。

盲導犬や警察犬として使役してくれる犬種なのでこの様な疾患に関しての研究が進んでいるのでしょうか。

日本ではラブラドールレトリバーが大流行し頭数が増えたことは喜ばしいのですが、ラブラドールレトリバーと名乗るワンコならば高額で取引された結果、遺伝性疾患を持つ親犬までもが輸入され、それから遺伝性疾患が広まってしまったと考えられます。

この数年間で国内にも遺伝性疾患(特に股関節形成不全、肘関節形成不全、PRA等)に関して注目する方々も増えました。
何の咎もないワンコが突如歩行に困難を生じたり、目が見えなくなってしまうのですから愛犬家にとっては青天の霹靂。
しかも現在でも根本的な治療は難しい…

ただし、遺伝性疾患は防ぐ事が至極簡単です。
疾患を持った親犬をブリーディングに使わなければ良いだけなのですから。

なのに大枚を払い購入した、ドッグショーなどで上位入賞を狙える質の高い種牡(交配を担当させる牡犬の別称)や台牝(出産を任せる牝犬の別称)に、この様に遺伝性疾患が現れたとしても致死遺伝子や表だった奇形が産まれる訳でもないとの言い訳を点けて繁殖に使ってしまうブリーダーが多くおります。

知識も無く、もしくは我が家の子は大丈夫だろうと安易に考え繁殖に使った結果、子々孫々まで伝わってしまう可能性の高い遺伝性疾患を広げてしまうことは、ブリーダーとしての罪であると私は思います。

お恥ずかしながら数百種類以上はあると言われる遺伝性疾患について大部分を承知しておりません。
どの様な病名で、いかなる症状が現れ、どの様になるのか。
治療法は如何に…

ブリーダーを勤めていく限りは、知識を増やし、排除すべき遺伝性疾患を理解するつもりです。
動物愛護推進員を委託されている限りは、持っている知識を伝える為に告知啓蒙し、少しでも多くのブリーダーに理解してもらえるよう努力を怠らぬつもりです。

ちなみに、遺伝性疾患を持つ子を差別し排除するなどとは毛頭考えておりません。
疾患を持つ子は赤ちゃんを作ってはいけないと論じている訳ではありません。

しかしこれば、優生思想と呼ばれる「障害の有無や人種等を基準に人の優劣を定め、優秀な者にのみ存在価値を認める」とする優生学と通じるところも廃しきれぬところもあります。
命を作り出すブリーダーとしては、第三者との意見が違うことを承知しながらも、独善的であろうと自己の信じる考え方を全うする強いポリシーも必要な気が致します。


HPにもお越し下さい♪  
ブリーダーハウス puppy's mama
http://www2.bbweb-arena.com/puppy/index.html
puppy@mx3.nns.ne.jp

掲載写真は、記事の内容とは違って(我が家のワンコですが)おります。
誤記、間違いなどございましたらご一報願います。喜んで急ぎ訂正させて頂きます。

2008年9月29日月曜日

気に入らないから毒殺しよう♪




熊本県警多良木署は16日、近所の住民の飼い犬を毒殺したとして、器物損壊容疑で同県錦町、無職の男(72)を逮捕した。「家の前を通るたびに近寄ってきてほえるので頭にきていた」と話し、容疑を認めているという。
調べでは、男は同日午前1時ごろ、近所の自動車解体業の男性(38)が飼っている雄の雑種犬に対し、門の鉄格子のすき間から、市販の殺虫剤を染み込ませた魚の骨を与えて殺した疑い。

ZAKZAK 2008/08/18  著作権法第32条より「引用」


年に数回はこの様な記事を目にします。

馬鹿者が何気ない顔をして町を闊歩している…
欲望を叶えたいならば力ずくで解決する。
自分が気に入らなければ邪魔者は殺して排除する。

弱者であると確信を持った後、暴力で従わせる輩が嫌いです。
話し合いや法的による解決を図ることが出来ない者は嫌いです。

力でしか解決できず、力ずくと言う解決手段を成功させ満足感を得られた者は更に強い力で解決しようします。

小さい昆虫を何気なく踏み潰す。
手のひらに入る小鳥を潰し殺す。
話す事も出来ない犬を毒殺する。

次は、、、

か弱い女性や逆らう事の出来ない子供を…

しかしながら逮捕されても気楽なもの。

命を奪っても「器物損壊」。
日本の法律では、犬は「器物」であり、殺すことを「損壊」と言うらしいですね。

他に罪は問えますか?

他人の所有物を損壊させたので弁済でもさせますか。
たかが犬なので軽微な額で済みますね。
犬種によってもまちまちですが数万円も用意しておけば済みましょうか。
器物を損壊させようと慰謝料なんて関係ありませんし。

動物愛管法で問うとしても罰金100万円、もしくは懲役1年。
初犯であり、反省しているそぶりさえ見せればこれまた数万円の罰金で。

気楽ですね!
他人が愛情を込めて慈しみ育てているワンコを殺しても数万円の罰金で許されるのです。

私のこの様な輩の側に親族をいさせたくありません。
罪を憎んで人を憎まず…
そんなことを言える聖人君子でもなければ、この様な処罰で反省したなんて思うほどお人好しでもありませんから。

こんな軽微な犯罪には加害者も匿名となるのでしょうか。

今は動物を愛護すべきなどとお題目を唱えているわけではありません。
犯罪予備軍となりえる輩達をせめて私の身内の周りより排除したい。
それだけのこと。
なんならば、加害者にも尊い人権があり守るべきと声高らかに唱える高貴なお方と暮らして頂き、外部には一切出して下さるな!

意地が悪いのかもしれませんが素直に思うことです。


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2008年9月24日水曜日

天高く澄み切った青い空♪



今回は、これからの犬選びの方法を、海外の犬事情も交えてご紹介しよう。
 イギリスには子犬を売るペットショップはほとんどない。ペットショップで買えるのは、フードや日用品、グッズだけ。新しく家庭犬を飼いたい人々の多くは、アニマルシェルターと呼ばれる保護施設に足を運ぶ。また、特定の血統種がほしい場合は、信頼のおけるブリーダーのところに出向くのが一般的だ。
 数あるイギリスのシェルターのなかには、180年以上の歴史を持ち、エリザベス女王もパトロンとなっている「RSPCA」(英国王立動物虐待防止協会)もある。今では世界各国に広がり、私がオーストラリア・シドニー支部を訪れたときには、語学留学中の日本人ボランティアが犬舎の清掃を行っていた。
 シドニーでは小規模なシェルターも訪れたが、いつも50頭ほどいる犬のうち、1カ月以内に9割が新しい家族のもとに迎えられていくという。ここでも、日本人のお散歩ボランティアに出会ったのが印象的だ。「犬が飼えなくても、こういった形で大好きな犬に毎日かかわれるのが楽しいし、新しい飼い主さんが決まる瞬間は何度立ち会ってもうれしい」と、シドニー在住のカズコさん。

毎日新聞 2008年5月28日 東京朝刊  著作権法第32条より「引用」


とても嬉しい事があったので、気分上々のままでblogをお送りします。
今日の甲府は、気持ちの良い青空。
秋の澄んだお空の高い気持ちの良いお天気。
幸せです。

さて、欧米諸国の多くはペットショップでの生体販売が行われていないそうです。
きちんと法規制されており、仔犬の店頭販売は罰せられます。

なぜでしょうか?

一般に仔犬の販売は生後45日~60日程度で行われます。
見た目で可愛い盛りだからです。
幼児期の生き物は母性が沸きやすい姿、匂い、声を発しており、庇護すべき対象として守り、慈しむように本能に刷り込まれているようです。

どうせ育てるならば、最も可愛い時期からと考える事が当たり前。
特に商売として仔犬販売を考えるのならば、販売しやすい年齢を見越して仔犬を仕入れることに不思議はありません。

ペットショップとしての問題は売れ残ってしまった場合。
幼児期に人気は集中し、育つにつれて売れにくくなってしまう事が生体販売のネックです。

そうなると、少しでも販売チャンスを長く取りたくなりますよね。
それは仔犬の仕入れ時期を生後45日なんて言わずに生後30日にしてしまえば良いこと。

ただ問題も当然発生します。
あまりに早く親兄弟から離してしまうと、精神的に不安になりやすかったり、α症候群や社会性を身につけにくくなると言われております。

また、群れ単位での集団生活を本能として持つ犬族としてはペットショップで小さなガラスケースに1人孤独に閉じ込められることには大きなストレスを生じさせます。
赤ちゃんは寝る事が仕事なんて言われますが、やっと眠りに入った先からお客さんに叩き起こされる仔犬に健全な生活が送ることは厳しく思います。
深夜帯まで営業していたり、年中無休24時間営業を誇る都市部のペットショップもあるようですが、店員さんは交代制で良かろうとも商品である仔犬に休む暇はありません。

この様な問題を避けるために欧米諸国ではペットショップでの生体販売は禁止されているのに、まだまだ日本の考え方は浅はかに思ってしまいますよね。

ならばどの様に仔犬を求めるのでしょうか?

やはりブリーダーの元から直接求める事が一般的なようです。
血統書発行団体や犬種毎の愛犬団体に問い合わせると専門のブリーダーを紹介してくれるシステムです。
その様な団体からの紹介ですから、ブリーダーとしても無碍な対応も怪しいワンコも扱う訳に行かず質が上がっていくとのこと。
ブリーダー自体も責任が増え、得体の知れぬブリーダーは排除されるようになるでしょう。

もしくは動物愛護団体の運営による、飼育できなくなったワンコを保護するシェルターがあり、そのシェルターから里親として譲り受ける方法も一般的に行われております。
愛護に関してのボランティア活動は高貴な行為として認識されている様ですが、王族すらスタッフとして携わっているケースも多く見受けられます。

私達日本も徐々にですが、ワンコ達を管理し里親を募集される愛護団体も増えてまいりました。
インターネットの普及により直接ブリーダーから求められる方も増えてまいりました。

求める先、求め方など様々ですが、ワンコの為・ワンコが幸せになる為に私達も更に考えて行きたいと思います。

ホントに気持ちの良い秋空ですね。
季節の中で、秋が一番好きな季節です。


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2008年9月22日月曜日

大往生は138歳の爺様。




敬老の日にちなみ、ペットフード会社日本ヒルズ・コルゲート(東京都江東区)が全国の動物病院などを対象に行った初のアンケート調査で、高齢化するペット社会の状況が明らかになった。健康管理や食事に気を配る飼い主が増え、獣医の指導でも「食生活」が最も重視されていた。
接した犬の最高齢を尋ねたところ、平均18.6歳(人の90歳)。最長老は24歳(同112歳)の雌の雑種だった。加齢が速く換算式が異なる大型犬では、19歳の雄のシベリアンハスキーが最高で、人に換算すると138歳だった。

(時事通信社 - 09月14日 16:01)  著作権法第32条より「引用」


人間の最高齢記録ってご存知ですか?
ギネスブックの記録からですと、フランス人の女性「ジャンヌ・カルマン」さん、122歳164日!
お見事です。
ちなみに日本の「泉重千代」翁は、男性の最高齢記録保持者で120歳237日。
素晴らしい!
生物としての人間も侮れませんよね。

ご承知でしょうが、ワンコを人間の年齢に換算して分かりやすく表すことが良くあります。
又、大型犬は同じ犬であろうとも小型犬に比べ平均寿命は短いことも知られていると思います。

この10年間ほどで感染症予防ワクチンの接種が一般的に広く認識されてきました。
摂取率も増えております。
死亡原因の大きな割合を占めていた「ジステンパー」と「犬パルボウイスル」は減りました。
又、フィラリア予防の為の薬も広く認められ感染する子も減ってきました。
犬の食事といったら残飯が一般だったのですが、知らぬ間にドッグフードがメインとなっております。
栄養バランスの整った食事を与える事が当たり前となりました。
獣医学も格段の進歩し、救われなかった命を守る事が出来るようになりました。

ワンコ好きに取っては大変ありがたい話です。

飼育方法、獣医学などワンコを取り巻く環境は益々充実し更に長生きを出来るようになるでしょう。

ただし、これに伴わないのが高齢犬への対処方法ではないでしょうか。

老齢犬への対応、介護など、長生きをして良かったと言える充実した生活を送らせて上げたい。
なのに知識は不足し、指導できる施設やスタッフも少なく、マニュアルすらございません。

ワンコだって年を取れば、足腰は弱り、病がちになり、体力も減ります。

私達と同じ様に歯だった抜けるんですよ。
今までの様に、乾燥フードをカリカリと食べることなんて出来なくなっります。
筋肉が衰え、関節痛に襲われれば、歩くことも苦痛になります。
入れ歯や車椅子は存在するにしても高価であり一般的なものとはとても言えません。

入手できなければ、飼い主さんがフォローするしかないのですが、ワンコの介護なんて本当に出来ますか?
老人介護ですらなかなか出来ないのに。
しかもワンコに対しては、保険もなければ、それを理由に休む訳にも行きません。
補助金も出なければ、介護士もおりません。

ワンコに関わるものたちは今からでも考えておかないとなりませんね。
私達の様なワンコ業界に携わる者達や動物愛護推進員は保健所や動物愛護センター、獣医師等と協力し指針を作っていかなければならないでしょう。

毎年9月20日から26日の一週間は「動物愛護週間」です。
私の住む山梨県では明日(9/23)を動物愛護DAYとし、各ボランティア団体、学校関係者、獣医師会、県市町村関係者、動物愛護推進員等によりイベントが開かれます。
「狂犬病予防ワクチン接種」、「避妊去勢手術のお勧め」、「捨て犬・捨て猫をなくそう」、「地域猫問題」等を重点的にお子様でも楽しめる催し物を開きながら告知啓蒙活動を行います。

しかし、人間に換算して138歳のシベリアンハスキーって、サイズ、体重がしっかりあるので、寝たきりだったら動かすことも大変そうですね。

大型犬、小型犬、猫の人間比較した年齢計算も時代と共に修正すべきでしょうか。
なんとなく違和感のあるものもありますよね。

参考までに、猫の平均寿命は20.8歳(同99歳)。
最年長は30歳(同136歳)の雄(雑種)だったそうです。

ニャンコの方が長生きなんですね。
それにしても30歳も年を取った猫って…
そのまま尻尾が二股に分かれて化け猫(猫又)になりそうです。

少し会いたい気持ちです。


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